タカラトミーでは、多様な視点から経営を進めることが、事業の発展及びグローバル化の推進、そして適切な監督や監査に資するものであると認識しています。このページでは、多様性を活かした取締役会について、ステークホルダーの皆さまによりわかりやすくお伝えするため、2025年6月に新たに選任された有沢正人氏のインタビューをご紹介いたします。

社外取締役 有沢正人氏 タカラトミーグループの豊かなコンテンツを活かす従業員のウェルビーイングの最大化に貢献します。 社外取締役 有沢正人氏 タカラトミーグループの豊かなコンテンツを活かす従業員のウェルビーイングの最大化に貢献します。
1984年に新卒で協和銀行(現·りそな銀行)に入行。人事、経営企画を担当後、2004年にHOYA、08年にAIU保険(現·AIG損保)とそれぞれ人事責任者として人事制度改革(グローバルな職務等級制度の導入など)を行う。13年よりカゴメのCHOとして人事制度改革を推進。23年10月よりカゴメ株式会社常務執行役員、カゴメアクシス株式会社代表取締役社長 兼 経営管理部長に就任。2025年4月より、いすゞ自動車株式会社の常務執行役員 CHRO人事部門EVPに就任。2025年6月より当社の社外取締役に就任。
  • Q1

    2025年に社外取締役に就任されました。抱負を聞かせてください。

    私はさまざまな業種でグローバルな企業経営、とりわけ人的資本経営に携わってきました。多くのステークホルダーとの対話から得られた示唆も経営に反映できればと考えています。
    今、多くの社会課題が企業を取り巻いています。私たちがこれらの課題に正面から向き合い、持続的に成長していくためには、まず自社の社会に対する存在意義(パーパス)を深く理解することが不可欠です。そのパーパスを基盤として、人財戦略を経営戦略・事業戦略と切り離すことなく、三位一体で進めていくことが、これからの企業価値向上においてますます重要になります。私は企業価値とは、従業員一人ひとりの人的な価値、すなわちヒューマンバリューの総和であると考えます。だからこそ、人財にかける費用は単なるコストではなく、将来の企業価値を高めるための投資と言えるでしょう。
    私が最も重視しているのは、トミカやプラレール、リカちゃん等を買ってくださるお客様に心から寄り添い、他にはない価値を提供し続けることです。そのために、お客様との接点を担う営業や生産、企画開発、マーケティング等の部門にいるタカラトミーグループの従業員の一人ひとりがお客様視点で考え、さらなる付加価値を生み出せる人財へと成長できるよう、組織としてしっかりと支援し、育成していきたいと考えています。
    この考えに基づく人的資本経営を推進すべく、執行に寄り添い、現場への深いリスペクトと共感を持ちながらも、迎合することなく、社外取締役としての意見を執行に伝えていきます。現在は、報酬委員会およびリスク/コンプライアンス委員会の委員として活動しており、いずれの役割においても、常にフェアネスと公正性を重視して判断・対応しています。

  • Q2

    タカラトミーの取締役会にはどんな印象をお持ちですか。

    私たち社外取締役・監査役はそれぞれの専門性を生かしながら活発で白熱した議論を行っています。議論においては、全員が「タカラトミーグループにとって何が最善か」を真剣に考えており、方向性がぶれることはありません。執行サイドからの提案が経営戦略に適合しているかを常に検証しながら、タカラトミーグループの理念達成に向けて当事者意識をもって経営に参画しています。
    また、多様なバックグラウンドを持つ社外取締役の意見を、富山社長がバランスよく取り込み、取締役会としての意思決定に反映させている点は、当社のガバナンスを機能させる上で重要な要素だと考えています。
    一方で、タカラトミーグループでは、次世代の経営を担う重要ポジションに向けた明確なタレントプールの仕組みが十分に整備されておらず、今後の強化が必要であるとも感じています。お客様の価値観や期待を捉える高い感性と人財戦略・経営戦略・事業戦略を総合的に判断できるバランス感覚を備えた逸財を戦略的に育成できる仕組みづくりに、取締役会として一体となって取組もうとしています。

  • Q3

    タカラトミーグループの企業風土で強い印象を受けたことを教えてください。

    先日、トミカ誕生55周年を記念するファン感謝祭「TOMICA OWNERS MEETING」を見学しました。会場には世代を超えた多くのファンが集まり、高い熱量が感じられました。商品そのものだけでなく、ブランドや体験に対する継続的な支持が形成されていることを、現場で確かめる貴重な機会となりました。消費材を扱う企業にとって、とても重要なブランドロイヤルティがここまで高い例は珍しいと感じました。お客様からの熱い支持はまさに“宝”であり、貴重なアセットです。このアセットを最大限に活かし、ステークホルダーに対してのリターンを高めていきたいという思いを新たにしました。
    そして、ファンミーティングでも株主総会でも、従業員や執行役員の皆さんが、ファン、株主の方々からの専門的な質問に対して丁寧かつ誠実に説明する姿が印象に残っています。
    タカラトミーグループの人財は、「アソビ」に対して高い専門性と探究心を持っており、これは同業他社に対する大きな優位性であると感じています。

    有沢正人氏
  • Q4

    中長期経営戦略に対する社外取締役としてのお考えをお聞かせください。

    タカラトミーグループは、2030年までになりたい姿として、Business Vision 2030「高い品質とクリエイティブ性を持ち、世界中で愛される総合アソビメーカーに成長する。」と、Sustainability Vision 2030「アソビへ懸ける品質は、持続可能なウェルビーイング向上にグローバルで貢献できる。」を掲げています。これら両Vision達成に向けて、子どもだけではなく、大人も含む幅広い年代が楽しめるアソビを拡充する「年齢軸の拡大」に加えて、ブランドを海外の適所適材に展開する「地域軸の拡大」を進めています。
    こうした戦略の背景には、近年、海外においてアニメや音楽といった各種コンテンツの分野でも日本文化への関心が高まっている状況があります。日本のコンテンツは世界的に高い競争力を有しており、タカラトミーグループには、グローバルに展開可能な豊富なコンテンツや知的財産(IP)が蓄積されています。特に、商品としてのハードとコンテンツとしてのソフトの双方を保有し、それらを同時に展開できる点はタカラトミーグループならではの強みであり、知的財産をより戦略的に活用する「攻めのIP戦略」を通じて、グローバルにおけるブランド認知の向上につなげていくことが十分に可能だと考えています。
    また既存ブランドを大切にしながらも、新たなブランドの創出に継続的に挑戦していくことが必要だと考えています。年代や地域を超えた多様なお客様に「推したい」と思っていただけるブランドが複数存在すれば、事業リスクの分散にもつながります。そして、この新ブランド創出を支える源泉こそが、組織内の多様性です。新しい価値やイノベーションは、異なる意見や視点が交差する場からこそ生まれるものであり、同質性が高すぎる組織は長期的な成長を阻害しかねません。中途採用者を含め、さまざまなバックグラウンドを持つ人財が活躍できることは、タカラトミーグループにとって大きな強みになるでしょう。
    Sustainability Vision 2030では持続可能なウェルビーイング向上を掲げています。人的資本経営において、ウェルビーイングは極めて重要な概念であり、従業員が心身ともに良好な状態で働けることが、結果としてお客様への価値提供につながると捉えています。従業員が前向きに働ける環境なくして、良い商品やサービスの創出は成り立ちません。タカラトミーグループの従業員エンゲージメントにおいて、さらに向上できる余地があると考えています。ただエンゲージメントのスコアの向上を目的にするのではなく、その結果、どのようにお客様への提供価値に結び付けていくかの道筋を明確にすべきです。タカラトミーグループの従業員は自社の商品への愛が深いのですから、ウェルビーイングに対する考え方をさらに整理して従業員に伝え、理解浸透を図る方針整理と実行プロセスの構築も一緒に取組んでいきたいと考えています。

  • Q5

    最後にステークホルダーに向けてのメッセージをお願いします。

    タカラトミーグループは自分たちが創り出すアソビへの絶対の自信を持ちながら、そのアソビで楽しみ、心まで健やかになっていただきたいと願う会社です。夢のあるコンテンツから生みだされるワクワク感を、従業員にも株主や投資家の皆様にも、すべてのステークホルダーの方にお届けすることに大きなやりがいを持ち、熱意をもって取組んでまいります。

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